SPAC(Special Purpose Acquisition Company=特別買収目的会社)について

2021年1月8日(金)、ソフトバンクグループによる、ニューヨーク証券取引所(ナスダック)へのSPACのIPOが話題を集めています。

2021年2月26日(金)、アメリカの長期金利の上昇を契機に、日経平均株価が1202円安という4年8か月ぶりの下げ幅を記録しました。それでも、まだ、2万8966円という高値です。

コロナ禍のなかで、実体経済が全体として落ち込む一方で、株価だけは未曽有のバブルとも思えるように上昇を続けてきました。最近はAIによる株の売買が隆盛を極めていますので、悪いニュースで株価が上げ、逆にいいニュースで株価が下げるような動きもめずらしくなくなってきました。ケインズが美人投票と呼んだように、実体経済とはかけ離れた人々の思惑やかけ引きが株価を動かすのはいまに始まったことではありません。

額に汗して働くことがすべてではありませんが、楽してお金を儲けようと思えば思うほど、大きな落とし穴が待っていることも意識しておかなければいけません。

現在の株価はバブルなのか。このような議論はこれまでも何度も繰り返され、いずれは振り返って検証がなされるのでしょうが、わたしたちはリアルタイムで、いま、この世界に生きています。

SPAC(Special Purpose Acquisition Company=特別買収目的会社)とは、未公開会社や他社の事業を買収することを目的に株式を公開する会社で、「空箱」とよばれることもある実体のない会社のことです。買収先を見つけ、その会社と合併し、合併先の会社を上場させ利益を得ることを目的とします。イメージとしてはからっぽの貝を用意し、そこにヤドカリが入ってくるのを待って、無事に優良なヤドカリが入ってくれればそこで実体ができるといったイメージです。日本人の感覚でいえば、他人のふんどしで相撲をとっている感じでしょうか。

現代社会をひとことで言えば、格差社会といえると思います。非正規社員やパート・アルバイトといったキーワードとは別に、SPACのようなお金でお金を儲けようとするような仕組みが流行していることなど、世界経済自体が多くの矛盾を抱えながらバブル化して、もう破裂寸前のところまできているのではないでしょうか。

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